劇場であそぼうvol.8「おいでよ、ぼくのまち~もう一つのふちのべをつくる~」にお邪魔しました。

8月10日「まちびらき(公開ワークショップ)」の様子。@桜美林大学プルヌスホール
8月10日「まちびらき(公開ワークショップ)」の様子。@桜美林大学プルヌスホール

 コネクトネットにもご参加頂いている舞台美術家/鈴木健介さんが、俳優/山内健司さん(両者とも劇団青年団/桜美林大学非常勤講師)と講師を務めた桜美林大学プルヌスホール夏休み子供向けワークショップ「劇場であそぼうvol.8」にお邪魔しました。

 平土間にもなる空間と舞台美術の手法を活かして、「もう一つのふちのべ」を子どもたちがアイデアを出し合ってつくる5日間のプログラム。あらかじめ用意されたリアルな淵野辺のランドマークの中に、子供たちの夢や希望が詰まった楽しくて素敵な’まち’が出来上がっていました。子供たちが、境川や森や神社を大事にした、環境に配慮されたまちづくりを考えている点は大人の方が見習うべきところ。

 中に入ると、ちょうど「オリジナル盆踊り」が大盛況!(やぐらも提灯も、もちろん手作り)。箱をつくっておしまいではなく、コミュニティにまでつなぐことで、美術から「まちづくり教育」にも広がっていました。会場には「Twitter」を視覚化したような大きなホワイトボードがあって、そこでは毎日、自由なメッセージのやりとりが。「神社つくったの誰?」→「○○です」→「トイレおいてもいいですか?」だったり、「お誕生日おめでとう!」だったり、コンセンサスを取りながら、人と人がつながりながら町がつくられていった様子がわかります。山内さんのお話では、イギリスのワークショップからヒントを得たということでしたが、子どもたちも「まちは自分たちでつくるもの」という自治の意識が知らずに体験出来たのではないでしょうか。

 まちのデザイン。これはサウンドスケープの中でも、まちの騒音問題に目をむけた「内側からのサウンド・デザイン」(M.シェーファー)に共通した考え方。美術を切り口に街を考える。芸術教育は生きるための教育であることを、あらためて意識する時間でした。このワークショップは、小学校の体育館や教室を使っての実施も可能だろうと思います。材料に廃材を使ってもいいかもしれない。大学の劇場でできた教育プログラムが地域社会にかたちを変えて広がっていく。地域と劇場(大学)のこれからの関係性と可能性を感じました。(S)