『近代日本の演劇と吉田謙吉 ~本業は舞台美術家です』記録研究・資料集の完成と路上観察学会分科会、そして団地(7/11)

 本日は桜美林大学芸術文化学群が2020年にホールと校舎を移転した「東京ひなたやまキャンパス」に隣接する山崎台団地商店街(町田市)にお邪魔しました。

 2014年に発足したコネクトで「団地」と言えば路上観察学会分科会、初期のメイン活動です。当時から桜美林大学で講師を務めている鈴木健介(舞台美術家・青年団所属)をリーダーに迎え、同じく青年団の俳優・山内健司さん、松田弘子さんをメインメンバーに、そのほか周辺の人たちを緩やかに巻き込みながら、月1度程の精力的なペースで路上観察を続けました。当時の活動記録はこちらからご覧頂けます。

 

 この活動が始まってすぐに、「考現学」今和次郎の弟子で舞台美術家の吉田健吉氏ご長女・塩沢珠江さんともつながりました。そのご縁からリーダー鈴木は2018年~2022年に実施された多摩美術大学学内共同研究チーム『近代日本の演劇と吉田謙吉 ~本業は舞台美術家です』に参加、ここ数年は記録研究・資料集の編纂に携わっていました。

 そしてこのたび『考現学 モデルノロヂオ』の原本を彷彿させる大変美しい記録資料本が完成し、限定200部の貴重な1冊を頂きました。個人的にも弘前大今田研究室からの経緯や、何より「サウンドスケープ」の言葉が考現学の資料に刻まれ嬉しいです。最近あちこちで課題となっている「記録に残していくこと」の大切さをあらためて実感しました。ありがとうございました。

 最後の写真は団地商店街に座っていた湿布を貼られた子どもの彫像です。昭和の時間やサウンドスケープがそのまま保存されたような団地の商店街。大学で演劇を学ぶ若者たちとどのような相乗効果を生み出すのか。これからも注目していきたいと思います。

ササマユウコ