芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト(代表ササマユウコ)の見解。
現在この問題は、憲法、芸術、文化政策、政治思想、アーティスト、批評家等、さまざまな視点や立場から日々声明が発表され、地方都市の芸術祭を越えた社会問題に発展しています。日を追うごとに明らかになるのは、「公共の芸術祭に公人が介入し中止に追い込まれた」’弾圧’や’検閲’の構図よりも、顔の見えない市民からの抗議電話や脅迫FAXの’暴力’に運営側が屈したという事実が、今後の様々な社会に大きな影を落とすのではないかという懸念です。これは上から押さえつけられるよりも根が深い。市民自らが自主規制し「表現の自由」を手放す国はもはや民主主義とは言えません。14日現在、新たに海外からの9作家が「展示の再開と表現の自由の擁護」を求めて展示辞退を申し入れています。
今回どのような抗議や脅迫が寄せられたのか。’プロパガンダ’と批判する人たちにも納得のいくように、開催から中止に至るまでのプロセスや予算表も含めての展示、表現の自由とは何かを「考える場」が芸術として昇華された上での再開を強く望みます。もちろんオープンな場であると同時に、セキュリティの確保は必要不可欠です。運営側の柔軟な対応こそ、芸術(祭)の可能性をあらたに提示できる機会になるかもしれません。ただしそれには芸術外部のディレクターだけでなく、芸術の力をきちんと知り尽くしたプロのキュレーターの参画も求めたいところです。
コネクト(=ササマユウコ)は政治的思想は中立とし、表現者の視点から「表現の自由とは何か」について考えていきたいと思います。検証委員会が立ち上がり、公開質問状への回答も発表され、ジャーナリスティックにも日々状況が変る話題ですので、基本的には即時性のあるFacebookで検証していきたいと思っています。
2019年8月14日 芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト 代表:ササマユウコ