【ご報告】アートミーツケア学会オンラインジャーナル14号研究ノート『境界はどこにあるか~音楽、サウンドスケープ、社会福祉』(ササマユウコ)が公開されました。

【ササマユウコFacebookより】

 アートミーツケア学会オンラインジャーナル14号に研究ノート「境界はどこにあるか~音楽、サウンドスケープ、社会福祉」が掲載されました。さまざまな「境界」の曖昧さをテーマに、シェーファーが70年代に提示した「音楽、サウンドスケープ、社会福祉」の実践研究として、シェーファー自身の知覚の在りよう、ろう者のオンガクとの出会いと対話、当事者研究の現在を交えて考えてみました。

 昨日のカプカプ講座(かながわ文化芸術祭事業・後日レポします)でも、演劇やダンスや福祉関係の皆さんが「サウンドスケープ」の考え方に興味をもって下さったことが嬉しかったですし、音楽の内にある「知」を外の世界につなげることが、自分の役割のひとつなのだろうと感じたところでした。同じ日にノートが掲載されたことも、偶然ではないような気がしています。

 もともと思考がひろがりやすい上に、オンガクを言葉にすることの限界も感じています。「文字」というのは単旋律なので、出来れば五線譜で書きたいというか(笑)。けれども還暦までのあと2年で出来ることのひとつが、先人の知を次世代につなぐことだろうと。苦手な論文形式はこれで最後と感じていますが、ワークショップや哲学カフェやレクチャーなどは今後も試行錯誤を重ねていきたいと思います。

 最近「継続は力」と感じるのは、人と人との関係も含めて、ふりかえった時にしか見えない風景や道筋があると気づいたからです。前しか見えない若い頃の出会いや試行錯誤が回収される瞬間も必ずある。もちろん失敗や未熟さも含めて思い通りにいかない人生ですが、全部がサウンドスケープのように響き合っているのだなと。