芸術教育の実践者/研究者の勉強会を兼ねた不定期スピンオフ企画CONNECT+(コネクトプラス)。今回は代表のササマユウコが主催となり「音楽×やさしい哲学カフェ」第1弾として弘前大学の今田匡彦教授をお迎えした「音さがしの世界~M.シェーファーとサウンドスケープ」を開催しました。【協力/鈴木モモ(minacha-yam主宰、ストリングラフィ、つむぎね演奏家)、浦畠晶子(音楽家)、村松純子(BABY in ME主宰)】。
今田氏は国立音大卒業後、出版社勤務を経て、サイモン・フレイザー大学、ブリティッシュ・コロンビア大学で学んだ1964年生まれの哲学博士。日本の子供向けのサウンド・エデュケーションのテキスト『音さがしの本~リトル・サウンド・エデュケーション』(春秋社 増補版2009)をM.シェーファーと共に出版されています。弘前の今田ゼミでは、学生たちの自由闊達な意見交換の中で音楽の哲思的思考が深められ、音楽教育の現場や研究者たちにとっても常に新しい風となっています。今回はゼミの雰囲気を少しでも再現できればと、日本橋のモロッコ食堂DALIAさんにご協力を頂き、音楽的な「哲学カフェ」空間が実現しました。当日は活躍中の若手音楽家を中心に、美術や建築や教育など様々な分野から20名の方が集まりました。
前半では「そもそも哲学とは何か」をお話から考え、後半は参加者も一緒に身体を使いながら、弘前のユニークな授業活動がDVD動画と共に紹介されました。レクチャーの後は和やかな歓談の場となり、先生との対話も含め、分野を越えた参加者同志も活発な意見交換や交流の場となりました。言葉を越えて存在する音楽を考え、そしてあらためて自分の身体を捉え返す。そもそも音楽とは何か、何が音楽か。特に若い世代にとっては、常に真摯に問いかけながら芸術や教育と向き合うことの大切さをあらためて意識する機会となったようです。
スピンオフ「CONNECT+」は芸術家と研究者、さまざまな分野をつなぎ、お互いの学びや表現を広げつつ深める場です。
ここでの出会いや自由な意見交換が、それぞれの活動や研究にフィードバックされて、最終的には社会にひらかれていくことを目指します。