泥沼コミュニティ×路上観察学会分科会座談会(写真は準備中)。個性豊かな若者たちにもご参加頂いて、2時間の予定が2時間半。終了後も話が尽きない密な時間となりました。内容としては、今年に入って3回に渡って活動した「橋本コラボ歩き」を写真、スケッチ、音の記録等で振り返りながら、参加者それぞれの「都市郊外論」を思考する展開となりました。
まずは「ホーム/アンド/アウェイ」というタイトルに込められた意味を考えてみました。新興住宅地と古い農地が混在する橋本のような都市郊外は、「ホーム」でもあり「アウェイ」でもある。それぞれが「アンド」でつながるようでいて、どこか「/」で分断されているという感覚が浮き彫りになります。普段は見えないけれども蓄積されている時間の中を旧住民・新住民・訪問者が共に歩くことで「街の記憶」が共有される。その境界に新しい風景が見える体験を語り合いました。
「なぜ都市郊外を歩くのか?」。その目的を探ると、結局は「ひと」に行き当たります。騒音を含めた環境音は「人」が活動している証でもある。町を構成しているのは建物ではなく、やはりその中で活動する「人」。点在する人や場をつなぐように自分の身体を使って「歩く」活動は、最もシンプルで奥深い「知る」ための行為です。それぞれの「まちの歩き方」を共有することは、他者の感性を知ることでもあり、見慣れたはずの風景に誰かの時間や記憶をフィルターのように重ねてみることでもある。そこから新しい風景がみえてくる「日常の再発見」こそ、アートの本質であることにも気づくのでした。
●「ホーム/アンド/アウェイ」@アートラボはしもと/solid&liquid
MACHIDAは17日まで。会期中、路上観察学会分科会ではサウンド・インスタレーション「はしもとの空耳〜この音は内であり外である」展示中です。
ZINE『路上観察学会分科会通信 0号』橋本篇も無事に出来上がりました。
アートラボはしもと、solid&liquid MACHIDA、アゴラ劇場ほかにて配布予定です。
(編集・デザイン 鈴木健介
執筆・ササマユウコ、山内健司、鈴木健介)