昨日は台風接近に伴う開催検討から始まり、交通機関の大乱れで遅刻(ササマ)、息子発熱による手話通訳欠席(米内山)、ひとり対応で急遽内容変更(雫境)と、コレクティブの研究材料としては初回からてんこ盛りで、結局4時間半に及ぶ濃密な聾聴の対話の時間となりました。朝は参加者キャンセル相次ぎ開催も迷いましたが、貴重なご意見を頂いたり、通訳までして頂いた参加者の皆さまには心より感謝いたします。
今日の膨大なトピックをいちど整理し、今期活動の"境界のかたち"を引き続き探っていきたいと思います。後半はイメージが果てしなく広がったハードコアな哲学カフェのようでした。
印象的なキーワードは「表現とは何か」「言葉の居場所」「五感+」「異文化理解」「リズム」「日本手話と日本語」「ろう学校と音楽/表現教育」あたりです。気になった方はぜひ次回をご注目ください。
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以下、荒天(前後)時の開催について、今後の"中止判断基準"です。
(メンバー間のディスカッションと実感より)。
①施設管理者の判断だけを頼りにしない
②暴風雨(警報の有無より体感優先)
③40度近い高温(フェーン現象)
④オフィス街を歩くのに危険な強風(体感)
⑤交通機関の大幅な乱れ、運休
⑥子どもの臨時休校、体調不良(本人も)
とにかく自然に逆らわず、聾聴の身体感覚を共有しながら臨機応変に対応します。今回、事前のメンバー間ディスカッションや協力連携は万全でしたが、当日の交通機関が大幅に乱れて進行役(筆者)の遅刻、手話通訳の急遽不在と、不可抗力とはいえ会の内容や時間配分に大幅な変更が生じました。アーティストによるオルタナティブな研究会で「時間」や事前準備をどう捉えるかは難しい問題ですが(即興性の妙があるので)、日本語、日本手話、筆談が飛び交う中、とにかくあっという間に時間が経ってしまいます。今回の参加者の皆様は非常に好意的でしたが、これは今後の課題となりました。哲学対話のルールを緩やかに導入する等も検討したいと思います。
このプロジェクトは昨年夏に開催した即興カフェ「言葉のない対話」コラボ企画でも思いましたが、非言語コミュニケーションの方が"話が早い"。しかしその境界にあえて言葉を置き、「考える」という試みから見えてくるのが実は社会の問題だったりもします。「言葉」は「きこえる/きこえない」を越えて人をつなぐのか、もしくは分断するのか。非言語に昇華するまで引き続き考えてみたいと思います。なぜなら、この社会は言葉で出来ているからです。
台風一過、まずは無事に第1回を開催できましたことご報告いたします。
文責:ササマユウコ
2019アートミーツケア学会青空委員会公募プロジェクト
◎第1回聾CODA聴②
きこえない/きこえるワークショップ研究会
・実施日2019年9月9日 14時〜18時30分
・プロジェクトメンバー:
雫境(聾、身体、美術)、
ササマユウコ(聴、サウンドスケープ思考)
米内山陽子(CODA、舞台手話通訳) ※急遽欠席
・会場:アーツ千代田3331