『空耳散歩 LISTEN/THINK/IMAGINE』東京アートにエールを!特設サイト期間延長のお知らせ。

 「東京アートにエールを!」の特設サイト。来年3月まで開設期間が延長されたようです。久しぶりに覗いたら予想の10倍くらいの方に観て頂いているので取り下げずに来年3月まで公開いたします。サウンドスケープを「耳の哲学」に音楽とは何かを問いながら、コロナ禍の記録も兼ねて古いIphone1台で撮影しています。後半は雫境さんの非言語手話、小日山拓也さんの影絵も。

 なぜ古いIhpone1台にしたかと言えば、「目できく、耳でみる、全身をひらく」をテーマにしたので、解像度や音質も含めなるべく自分の感覚器官や身体感覚、知覚と乖離が少ない映像にしたかったという理由があります。

 映像関係者に観て頂くと、映像ロジックで作られていないことも判るようです。私自身も基本的に「目で作曲する」感覚でした。専門技術を要するフィルム時代だったら作れなかったと思います。結果論ですが、視覚と聴覚をつないだシェーファーがたどり着いた図形楽譜、鳴り響く森羅万象を半径500メートル以内で追求したような時間でした。

 後半の創作部はまず言葉(詩)をろう者の雫境さんに渡して、時間(1分半)だけを指定しました。その中で言葉のイメージを自由に非言語手話で表現頂いています。文字と手話が重なっていないのは手話の字幕ではないからです。小日山さんの影絵は円環的時間の象徴として宇宙をテーマに走馬燈を作って頂きました。このモーター音が想定外で面白かったので、スローにしてノイズ音源として使っています。一見するとピアノに合わせて雫境さんが動いているように見えますが、両者の映像を撮ってからその映像に合わせて即興でピアノを弾きました。視覚から想起されるオンガクというか、この映像そのものが楽譜とも言えます。

 そして早くもここから2年が経とうとしています。先行きが見えない中で不安はないと言えば嘘になりますが、この時に非日常だった感覚が今や日常になろうとしていますし、自身の知覚が捉えた世界は時代に関わらず揺るがないものだなとも思います。

 音楽とは何かを問う思考の種となれば幸いです。

〇「空耳散歩 #01」

https://cheerforart.jp/detail/3043