【耳の哲学】ショパン国際ピアノコンクール2021をきく~オンガクとは何か

 昨年から1年の延期を経て、10月初旬から約1か月に渡ってワルシャワで開催されたショパン国際ピアノコンクール。日本国内からの本選出場者は14名となり、その中で反田恭平さん(2位)、小林愛実さん(4位)がW受賞、人気Youtuber角野隼斗さんが三次予選まで進出するなど話題になりました。また1年延期されたことで各国出場者も魅力的なショパンを提示し、結果的に大変充実したコンクールとなりました。
 さらに今回はコロナ禍での開催ということで、7月の予備予選からすべてのコンテスタントたちの演奏がYoutubeで無料配信されるというパラダイムシフトがありました。これによって普段はクラシック音楽を聴かない層にも視聴者を広げ、コンクールそのものが世界各国で注目を集めました。

 今回コネクトでは第二次予選から全てのコンテスタントの演奏をなるべくライブで視聴し考察をしてみました。筆者(音楽家・ササマユウコ)は音大卒ではありませんが、3歳からピアノをはじめ、10歳で専門教育に移り、11歳の時にショパンで出場した某コンクールで最高位を頂いた経験があります。また20代の頃にヤマハの『ピアノの本』編集部にも所属しました。クラシックはもはや門外漢ですので演奏そのものの批評は避けますが、今回は「耳の哲学」の「問い」としてコンクールそのものを「きく」こと、そして考えてみようと思いました。

 三次予選までに独自の基準で13名を選出し、そのうちの9名がファイナリストに、結果的に8名全員が入賞者となりました(予想順位は若干違いました)。今回の審査基準と自分の感覚にブレが少ないと感じましたので、ここで選ばれた「オンガク」とは何だったのか、ショパンを演奏するとは、ショパンとは何なのかをサウンドスケープの視点、耳の哲学から考察し紐解いてみました。

 ピアノを弾く人/弾かない人、音楽や芸術を越えて、生きることを考える内容だと感じていますので、是非ご一読頂けますと幸いです。


●ショパン国際ピアノコンクール2021

サウンドスケープの視点、耳の哲学からの考察です。

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