【時々更新】アート・コレクティブ「新井一座」だより(2023年度マグカル講座「舞台芸術と福祉をつなぐファシリテーター養成講座」第2回記録)10/4実施

イラスト:小日山拓也 ※からだ木琴(足乗せ木琴)は打楽器奏者・永田砂知子さんから新井さんに伝授された古代奏法。
イラスト:小日山拓也 ※からだ木琴(足乗せ木琴)は打楽器奏者・永田砂知子さんから新井さんに伝授された古代奏法。

去る10月6日、第2回のカプカプ×新井一座「舞台芸術と福祉をつなぐファシリテーター養成講座」が実施されました。第1回講座の記録はこちらからご覧ください。また今月25日に、東京芸術劇場社会共生セミナーにて、同じくカプカプでラジオワークショップを展開しているアサダワタルさん進行のもと、カプカプ所長・演劇ライターの鈴木励滋さん、新井一座から新井英夫、板坂記代子、ササマユウコが登壇し、「オモシロイ表現が生まれる場の関係性」を提示したオンラインレクチャーと対話の時間を共有しました。こちらの記録も併せてご覧ください。

 

 第2回目(B班)の10月6日は、1年の大きな節目となる9月のカプカプ祭りを終えた最初のワークショップということで、例年通り”クールダウン”の時間を目指しました。カプカプーズが馴染んでいるルーティンワーク、時間の流れやテンポを崩さずに、しかし後半では「舞台芸術」の基本とも言える大きな布をつかったワークを実施しました。みんなで広げた白い不織布を全身を柔らかく使って波立たせながら、その上で転がる小さな鈴の音に耳をすます時間が生まれました。またさらに大きなパッチワーク布を使っての、演劇的なアプローチも生まれていきました。かつて来日したイギリスの劇団テアトル・ド・コンプリシテの演出家サイモン・マクバーニーが「舞台芸術は椅子と布があれば十分に成立する」と話していたことを思い出します。それは「あそび」の基本とも言える。福祉の場だからといって芸術性を薄めるような「配慮」をするのではなく、アーティストの手元にあるアイデアや想像力を存分に分かち合う場として、カプカプーズの想像力やアイデアに心をひらく柔らかな心と体が求められる時間でした。

〇布の内と外、上と下。立体的な世界が生まれていく。撮影:受講生より提供/谷居さん。