カテゴリ:コネクト通信10月号



2023/10/31
去る10月6日、第2回のカプカプ×新井一座「舞台芸術と福祉をつなぐファシリテーター養成講座」が実施されました。第1回講座の記録はこちらからご覧ください。また今月25日に、東京芸術劇場社会共生セミナーにて、同じくカプカプでラジオワークショップを展開しているアサダワタルさん進行のもと、カプカプ所長・演劇ライターの鈴木励滋さん、新井一座から新井英夫、板坂記代子、ササマユウコが登壇し、「オモシロイ表現が生まれる場の関係性」を提示したオンラインレクチャーと対話の時間を共有しました。こちらの記録も併せてご覧ください。  第2回目(B班)の10月6日は、1年の大きな節目となる9月のカプカプ祭りを終えた最初のワークショップということで、例年通り”クールダウン”の時間を目指しました。カプカプーズが馴染んでいるルーティンワーク、時間の流れやテンポを崩さずに、しかし後半では「舞台芸術」の基本とも言える大きな布をつかったワークを実施しました。みんなで広げた白い不織布を全身を柔らかく使って波立たせながら、その上で転がる小さな鈴の音に耳をすます時間が生まれました。またさらに大きなパッチワーク布を使っての、演劇的なアプローチも生まれていきました。かつて来日したイギリスの劇団テアトル・ド・コンプリシテの演出家サイモン・マクバーニーが「舞台芸術は椅子と布があれば十分に成立する」と話していたことを思い出します。それは「あそび」の基本とも言える。福祉の場だからといって芸術性を薄めるような「配慮」をするのではなく、アーティストの手元にあるアイデアや想像力を存分に分かち合う場として、カプカプーズの想像力やアイデアに心をひらく柔らかな心と体が求められる時間でした。
2023/10/26
 昨夜こちらのセミナーが無事に終了しました。アサダワタルさんからの「集合!」のもと、カプカプ所長で演劇ライターの鈴木励滋さん、体奏家・新井英夫さん、彼のALS確定診断後に有機的に変容するカプカプ新井一座から板坂記代子さん、そしてササマユウコが参加しました。昨年からはコミュニティ・アーティストの小日山拓也さんも一座に参加し(動画出演)、何よりもカプカプの鈴木まほさん、千葉薫さんをはじめ、実は関わる「みんな」が一座なのだとあらためて感じるひと時でもありました。  今回は、気心知れた仲間が内と外の「境界」であるオンライン上に集い、自分たちがやってきたことを俯瞰する時間でもありました。舞台芸術と福祉が出会う場は、太古の洞窟から続く人間の営みと地続きにあって、同時に「今」の延長線上にある「未来」の芸術や福祉のかたちでもあるだろうと。だからカプカプの日常と非日常を切り分ける「舞台芸術」ではなく、日常を少しずらした異日常のワークショップが求められている。それは「よく生きるとは何か」という根源的な問いにつながっていくし、励滋さんはそのカプカプの試みを「カクメイ」と呼びましたが、大袈裟ではなく本当にその覚悟をもって臨んでいるからこそ、それが今まさに病と向き合う新井さんへのエールともなっている。  もし時間制限が無かったら、あのまま朝まで語り明かせそうな(笑)密度の濃い時間でした。「何か面白いこと」が生まれる場や人の関係性が、少しでも次世代に伝わっていたらいいなあと思います(実は出演者間もひと回り以上の世代差があるし、まったく違う時代や国を生きてきたとも言えるので)。  後日、文字情報アーカイブも公開されると思いますので、どうぞ引き続きご注目ください。ご視聴ありがとうございました。 【音楽・サウンドスケープ・社会福祉から】  個人的に、この社会共生セミナーは2021年の第2回「もし世界中の人がろう者だったら どんな形のオンガクが生まれていた?」(牧原依里、雫境、ササマ)以来の登壇となりました。視覚障害者でもあったカナダの作曲家R.M.シェーファーが発見した知覚の境界に生まれる「サウンドスケープ」という世界。この「世界の捉え方」は音のある・ないに関わらず「場をきく力」になることを東日本大震災以来の活動のなかで実感しています。  シェーファーは、視覚を補うために聴覚を鍛えることで自らの世界を調律したはずです。しかし、特に幼い頃から聴覚訓練を受けてきた音楽家は、むしろ「聴覚以外」の知覚を「ひらく」意識の方が必要だと感じています。音に厳しすぎると見えなくなってしまう世界がある。「耳だけ」の音楽はむしろ不自然ではないか。「きく」の多様性、場によって知覚の「ひらき方」を変える経験を積むこと。「音楽・サウンドスケープ・社会福祉」を提示したシェーファーの真意は、むしろそこにあると感じています。 またそんなお話もどこかで出来たらと。 【東京芸術劇場専用サイト】 https://www.geigeki.jp/performance/event314/e314-2/
2022/10/31
〇誤って冒頭記事を削除してしまいました。申し訳ございません。
2021/10/25
●前編 舞台の鑑賞レポはこちらから→  この後編では共同演出の雫境さん、無音の”オンガク”映像も担当した牧原依里さんそれぞれに「アーティストの視点」から、筆者が用意した質問にメールで答えて頂きました。何度かやりとりが生じた舞台に関する質問は、雫境さんの欄にまとめています。あらかじめご了承ください。
2021/10/20
 1か月以上にわたる緊急事態宣言が9月末に解除された東京。その最初の週末だった10月2日(土)の東京芸術劇場では、今年で五回目となる現代音楽の祭典「ボンクリ」が開催されました。...
2021/10/03
 先日登壇した東京芸術劇場の社会共生セミナー「もし世界中の人がろう者だったら、どんな形の音楽が生まれた?」の関連企画として、昨日ボンクリフェス「音のないオンガクの部屋」が開催されました。非常に興味深い内容でしたのでステージの内容については別途レポしたいと思います。以下の質問回答はパフォーマンス後の牧原依里さん、雫境さんトーク内容とも近い質問でしたので、Noteと同内容のものをこちらでも回答いたします。  劇場よりセミナー後に回収されたアンケートも頂きました。回収率が高く、また聾者/聴者を越えて皆さん集中してご視聴頂けた様子が伝わってきました。今回は私自身の10年の活動を初めて言語化し、8月に亡くなったシェーファーの「目と耳」からサウンドスケープの知覚、世界の捉え方をお伝えして、おふたりのお話へとつなげました。皆さんのイメージも沸きやすかったようで、感想を頂きほっとしました。私自身もここからまた10年?新たな展開が始まる予感がしています。  アンケートでは「もっと聴きたかった」という感想も多く頂きました(2時間ありましたが。。)。映画『LISTENリッスン』公開から5年間、本当に話題が尽きることなく音楽/オンガク対話が続いています。また3人で対話する機会はどこかであると思いますので、引き続きご注目いただければ幸いです。
【空耳図書館きのこの時間③】 実施 2020.10.14@明治神宮の杜 テーマ「内と外をきく」 推薦図書『きのこのなぐさめ』ロン・リット・ウーン 枇谷玲子、中村冬美訳 みすず書房2019 参考図書『まつたけ〜不確定な時代を生きる術』アナ・チン 赤嶺淳訳 みすず書房2019...
2020/10/06
春分から夏至までの第1弾に続く、秋分までの「空耳散歩」シリーズ映像。テーマごとに短くまとめてあげていきます。今回は「Rythm 点と線」2分45秒。サウンドスケープを「耳の哲学」に世界のウチとソトを捉え直してみましょう。 LISTEN/THINK/IMAGINE 目できく・耳でみる・全身をひらく 散歩人・映像 ササマユウコ...
2019/10/29
 去る10月26日(土)に新宿御苑で第2回「きのこの時間」を開催しました。 案内人:小日山拓也(美術)、ササマユウコ(サウンドスケープ) ◎特設FBイベントページ...
2019/10/21
 各地に甚大な被害をもたらした台風が続いた10月。ふり返る間もなく終わってしまった感があります。イベントが続きブログが滞りがちですが、日々の活動はコネクトFBでご紹介していますので、どうぞこちらもご覧ください。 \\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\...

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